機械知能工学科 　学士課程４年　正木　晴也さん

留学前

　大学に入学後、留学生と話をしたり、留学経験のある先生方のお話を聞いたりする中で、海外の大学や学生はどのような感じか、また海外で生活することはどのような感じか、実際に行って知りたいと思うようになり、留学を決意しました。
　工学部から留学に行く人は多くなかったので、留学に行くタイミングや留学する国、大学などを決めるために、留学経験者や先生方には多く相談にのっていただきました。
　ドイツへの留学が決まってから出発までは、英語とドイツ語の向上に励みました。英語は、国際本部に足を運び、留学生と話したり、英語でニュースやドラマを見て、英語を聞くことに慣れるようにしたりしていました。当時ミュンヘン工科大学から北海道大学に留学していた学生がいたのでその学生と多く時間を共にしました。ミュンヘン工科大学からは毎年留学生が来ることが多いので、知り合いになっておくとドイツに行ってからも仲良くしてもらえると思います。ドイツ語はドイツ語演習の講義を受講したり、参考書を買い勉強しました。ドイツ語演習はドイツ人の先生に教えていただきましたが、ドイツの大学に送る提出物を見ていただいたり、ドイツの話や文化についても教えていただき、多く助けていただきました。

留学中
　
　私が留学中に受講した講義は、再生可能エネルギー工学、淡水化技術、核融合工学、起業論、企業倫理入門、ドイツ語です。講義の進め方は日本と大きな差はありませんでしたが、再生可能エネルギーに関してはドイツの最先端の技術を、淡水化技術に関しては日本では学べない内容を、核融合工学はヨーロッパの視点から勉強することができました。起業はミュンヘン工科大学が大学として最も力を入れている項目の一つであり、そのための講義である起業論の講義はとても面白く、日本で体験できないような講義内容でした。
　試験はどれも日本に比べてとても難しいと思います。普段からしっかりと予習復習をしておくことが大切だと思います。
　テスト前は大変でしたが、それ以外は1日大体２～３コマで、時間には余裕がありました。平日は講義以外の時間は、大学で行われているイベントや学生主催のイベントなどに参加しました。著名人の講演会やビジネスコンテストなどのイベント、大学院や就活の説明会、言語の勉強会や食事会など探せば様々な機会がありました。
　休日はドイツ人の友達とご飯を食べたり、ミュンヘンを観光したり、所属していたサッカーチームでサッカーをして過ごしました。ミュンヘンはヨーロッパでも有数の大都市であり、同時に有数の観光地でもあるので、時間はいくらあっても飽きませんでした。教会などの見所や美術館、サッカーを初め様々なスポーツのクラブの本拠地もあり、ドイツ料理やビールはもちろん、アフリカやアジアなど世界中の料理を楽しむこともできます。ドイツ人は自然が大好きなので、公園などの自然が至る所にありますし、少し電車に乗れば、池や山を楽しむことができます。もちろん、夏はビアガーデンやオクトーバフェスト、冬はクリスマスマーケットを楽しむことができ、あらゆるものを一箇所で楽しめるという意味で言えばミュンヘンはヨーロッパで最高の都市の一つであるということができます。

留学を終えて
　
　留学をして良かったことは多くありますが、あえてあげるとすれば、最先端の専門の知識を身につけることができた、ドイツやヨーロッパで活躍する人の話を聞けた、世界中から集まるたくさんの留学生と話をする機会があった、かけがえのない仲間と知り合うことができた、英語・ドイツ語の力が向上した、ドイツの生活を経験し、文化を体験することができた、とにかく楽しい半年を過ごすことができたなどです。日本ではできない経験をたくさんすることができました。
　ドイツには、ヨーロッパ、アフリカを初め、世界中から勉強や仕事をしに人が集まってきています。いろいろな国の人が集まる環境で、また自分と異なる文化の中で暮らすのは日本で過ごすことに比べもちろんとても大変でしたが、その分刺激を受ける毎日でした。また、ドイツでは夢を持ち一生懸命頑張る人たちとたくさん話すことができました。留学を通じて、自分が知らなかったことを身をもって体験することができ、視野を広げることができたとともに、これから身につけていかなければならないことを見つけることができたと思います。
　私たちの留学の年にコロナウイルスが流行しましたが、これからの世の中では、より一層グローバルな視点で多角的に捉え、考え、世界中が協力して地球の問題に取り組んでいかなければならないと思います。そのためには知識をより増やし、視野を広げること、さらには自分の考えを表現するための語学力やコミュニケーション能力がとても大切になってくると思います。海外の大学生はとても熱心に勉強し、海外に留学したり、いろいろなことに挑戦をしたりしています。日本人もより多く海外留学に行き、視野を広げていただければと思っております。
　最後に、相談にのっていただいた先輩や先生方、手続きを進めていただいた事務の方々、プラズマ生体応用工学研究室の先生方、留学中サポートしてくれた仲間達、ミュンヘン工科大学の先生方、英語やドイツ語を教えてくださった先生方をはじめ、関わっていただきましたすべての方のおかげで無事に留学を終えることができ、大変感謝しております。ありがとうございました。