~日本での生活がすべてではない~

留学先  :スウェーデン・リンシェーピン大学
留学期間: 2024年1月 ~ 2024年6月
留学年次: 学士課程4年

 

 

留学を志すきっかけ~出発までの準備

 私は,快適な空間を作ることによって社会に貢献したいと考えており,どのような手段をとればそれが実現できるかを模索していました.交換留学協定校のリストに掲載されていた大学のホームページを閲覧し,行われている研究を調べたところ,リンシェーピン大学でにおいセンサーの研究をしている研究者がいることを知りました.においを検知したり種類を区別したりする技術を学ぶことは私の目標を達成するために必要だと考え,においセンサーの研究者に一緒に研究したい旨をメールで伝えました.その研究者が私を受け入れてくださったため,留学先として決定しました.
 北大の国際企画事務室への交換留学の書類の提出と面接を経て学内選考を通過しました.学内選考から出発までには奨学金,居住許可,住居,履修登録,海外旅行保険の手続き,工学部への留学の届出,現地の研究テーマの調整を行いました.授業や研究室活動と並行して準備をしなければならなかったので大変でした.

 

留学生活

 授業や研究の忙しさによって活動内容は大きく異なりますが,留学に慣れてきたころの平均的な1週間のスケジュールを表1に示します.
 私は英語が得意な方ではなく,自分にとって新しい分野の研究に取り組んでいたため,学内にいる時間が他の学生や教員より長めになっています.研究をしない留学生の場合は平日でも自由時間が多く,授業がない時間帯は図書館で課題に取り組んだり,学内のスポーツジムで筋トレをしたり,友達とFika(後ほど説明します)を楽しんでいたようです.
 私は研究プロジェクトの他にコミュニケーション英語,ライティング英語,MATLAB入門,化学センサーシステムの授業を受講しました.日本の大学でよくある一方的な講義型の授業もありましたが,ペアでプレゼンテーションの作成やプログラミング課題に取り組んだり,授業内で議論したりするような,能動的に行動する必要のある授業が主でした.そのため,授業の準備や課題に時間をかける必要があり,大変でした.
 Fikaとは,お菓子や場合によりサンドイッチと一緒にコーヒーを楽しむスウェーデンの文化のことです.友達や職場の同僚と一緒に過ごすことが多く,私も毎週火・木曜のEAAの時間や金曜の研究室ミーティング後にFikaを楽しみました.
 EAAはEast Asian Associationの略称で,学内の教室で毎週火曜17:00~19:00に英語とスウェーデン語,木曜の17:00~19:00に日本語,中国語,韓国語の会話を学んだり教えたりすることができます.18:00からはFika, 回によってはカラオケ等も開催されます.日本人の留学生だけでなく,気の合いやすい韓国人や台湾人,日本文化に興味があったり,日本語が話せたりするスウェーデン人と友達になることができるため,参加することをお勧めします.詳細はInstagram @east_asian_associationをチェックしてみてください.

表 1 留学に慣れてきたころ(2024年3~4月)の1週間のスケジュール

 

留学を通して学んだこと,成長したこと

私は留学を通して,主体的に相談することの重要性を学びました.日本では,困ったことがあれば,日本語で気軽に調べたりすることができます.しかし,スウェーデンでは,言語の壁や私と同じ境遇の人がいないという状況から,起こった問題を解決する難易度が高くなっていました.このことから,私は様々な立場の人に自分の状況を伝え,解決策を話し合うということを意識的に行いました.その結果,私は留学中の困難を乗り越え,充実した日々を送ることができました.主体的に相談する能力は日本にいても必要でありながら,日本で生活しているだけでは得られなかったと感じています.

大学Fysikhusetの外観 (留学中に主に活動していた棟)
大学Studenthusetの外観
 大学Studenthusetの内装 (インフォメーションセンター,Student healthcare,図書館,学食,カフェ等)
リンシェーピンの街中の様子
現地学生と留学生でタコスパーティーをしている様子