留学を通して得たもの 〜小さな決断と大きな収穫〜

留学先  タイ・タマサート大学シリントーン国際工学部
留学期間 2019年8月~2019年12月 
留学年次 学士課程3年

 

留学を志すきっかけ~出発までの準備

 2年生の2月に一人で韓国へ旅行をしました。その際に、アメリカの大学から韓国に帰省していた同じ年の大学生と仲良くなる事が出来ました。その人たちと一緒にいると、英語を話すこともできず、日本でしか生活したことがない視野の狭い自分に危機感をもちました。その旅行を通し、自分も海外で生活し、様々な国の人と一緒に勉強することで自分の視野を広げたいと考えるようになりました。帰国後すぐに大学の先生に連絡すると、3年生後期に留学することが出来るという事を教えていただきました。自分の視野を広げたかったので、選択肢としてあった大学の中で、最も生活環境が日本と異なるタイに留学することに決めました。                                 

 書類の提出、面接、TOEICの受験を行い、大学から留学を認めていただくことが出来ました。日本にいる間に留学先の大学からシラバスが送られ仮登録を行いました。現地に到着した後でも1週間程度授業を見学し仮登録の取り消しや新たな履修科目を設定することが出来ました。登録はすべて書類の提出によって行われ、大学のスタッフの方やタイ人の学生が手伝ってくれたため苦労することはありませんでした。タイは1ヵ月以上の滞在はビザが必要です。ビザは東京まで取りに行かなければならず、発行まで少し時間もかかるため、余裕をもって取っておく事をお勧めします。           

 留学の決定から、タイに行くまでに、TOEIC対策を通してリスニング、リーディングを勉強すると共に、オンラインで英会話を勉強していました。そのため英会話の能力は向上したと思います。しかし、実際に留学してみると、ヨーロッパからの留学生やインターナショナルスクール出身のタイ人の早い英語にいついていくことが出来ず、自分が英語を理解するスピードの遅さとリスニング能力のなさを実感しました。相手が話している事を理解できない事は、英語を話す以前の問題であるので、英会話よりも、リーディングとリスニングの勉強に集中してもよかったと思いました。

留学生活

 留学先の授業は毎日午前中だけで終わりました。授業が始まる時間と終わる時間は毎日先生の気分によってバラバラ、学生が教室に入ってくる時間もバラバラで、文化の違いを感じました。午後は夕ご飯の時間まで友達と話したり勉強したりして過ごしていました。タイの食事は外食が基本で、毎日友達と屋台に行って食べていました。留学前はタイ料理になれる事が出来るか心配でしたが、タイ料理は辛い物だけでなく食べやすいものもたくさんありました。他の日本人留学生もヨーロッパの留学生もタイ料理はおいしいと言っていたので、料理に関して心配することはないと思います。しかし、留学してから1ヵ月くらいはずっとお腹を壊していたのでスパイスの多い料理や、現地のお水などには気を付けたほうが良いかもしれません。                                                   

 タイではムエタイとブラジリアン柔術のジムに通っていたので、夕食後はジムに行くことが多かったです。ジムに行くことで現地の人たちと交流することが出来ました。個人競技ではありましたが、試合に勝った時にはコーチや一緒に練習した仲間と感動を分かち合う事が出来ました。ジムに行くことで少し英語に触れる時間は減ってしまいましたが、素晴らしい経験をすることが出来ました。留学で現地の人と深く交流するためにスポーツをすることは非常に良い方法だと思います。 

 タマサート大学のシリントーン国際工学部はすべての授業が英語で行われていました。授業は大体のクラスにおいて40人くらい、そのうちの5人程度が留学生でした。交換留学生はヨーロッパからきている人がほとんどで、ヨーロッパ以外の交換留学生は私だけでした。フルタイムの学生はカンボジアやベトナム、スリランカなど、他の東南アジア、南アジアから来ている学生が多かったです。私が仲良くなったのはヨーロッパからきている交換留学生が多かったです。タイの人は本当に優しく、授業や生活で困ったときなどは快く手助けしてくれました。ヨーロッパからの交換留学生もアジアが好きな人が多く、特に日本が好きなようでご飯に誘ってくれたり、休日に遊びに誘ってくれたりしました。タイ人、ヨーロッパ人も本当にフレンドリーで、友達を作る事に苦労することは全くありませんでした。

留学を通して学んだこと、成長したこと

 留学を通して、英語力がかなり向上しました。留学当初は他の留学生の話についていくことに必死で自分の主張は全くできませんでしたが、最後の期末テストでは、他の留学生と一緒に議論しながら問題を協力して解く事が出来るようになりました。純粋な英語力だけではなく、自分よりはるかに英語力の高い人々に、拙い英語ながら自信をもってはっきりと自分の意見を伝える事が出来るようになったと思います。                                

 また、他の国から来た学生と話すことは自分の視野を広げる良い機会になりました。タマサート大学では様々な国の学生と交流出来ました。それぞれの国で文化だけでなく、価値観、国民性などが全く違いました。自分の価値観にとらわれず、多くの視点から物事を見る事が出来るようになったことは、将来悩みごとが出来た時などに絶対役に立つと思います。そして、日本の良さを改めて認識することが出来ました。留学先であった人は、ヨーロッパの人もアジアの人も例外なく、日本人の人間性や日本の洗練された街並みや交通システムなどを尊敬していました。また、カンボジアからきている留学生には日本の支援があるからカンボジアの教育システムが整おうとしていると感謝されることもありました。日本が恵まれた国であるという事を改めて認識したと同時に、自分の生まれた国に誇りを持てる事は幸せなことだと思いました。

最後に

 留学に行くことは少し、勇気のいる事でした。英語、生活環境の違い、食生活の違いなど心配になる事はたくさんありました。しかし、実際に行ってみるとすべてが新鮮で、毎日本当に充実していました。私だけでなく、現地で出会った他の日本人、ヨーロッパからの留学生など、全ての人が留学に来てよかったと言っていました。留学は自分の視野を広げ、世界中に友達を作る事が出来ます。どの時期にどの国にいったとしても絶対に良い経験になると思います。少しでも興味があればチャレンジしてみてください。